第 335 回 PTT のお知らせ


日時:2007年 7月19日(木) 18:30 から


場所:早稲田大学理工学部(大久保キャンパス)62-w号館1階大会議室(地図。キャンパス内が工事中のため、高田馬場側の入口(西門)からお入りください。)



話者:
馬場祐人 (早稲田大学筧研究室修士課程1年)


話題:
日本語プログラミング言語TTSneoの開発と次世代版プロデルに向けて

概要:
本発表では日本語プログラミング言語TTSneoのこれまでの開発成果と 次世代版プロデルに向けての課題について紹介する. TTSneoは,簡単,気軽にソフトを作成できることを目標としたプログラミング言語で, 日本語で命令を記述するスクリプト言語エンジンと開発環境を備えている. 1999年に開発を始め,8年間にわたって開発および公開を継続している. TTSneoには,ウィンドウやボタンなどのGUIの作成に必要なライブラリや FTP,メール送受信,さらにXMLやデータベースの操作を行うためのライブラリを備え, これらの機能が容易に利用できるように設計されている. また,開発支援環境を使うことで,マウス操作だけでGUIの設計が可能である. しかしTTSneoには多くの問題点があり,次世代版への課題としたい.



第 335 回 PTTメモ

出席者:16名

伊知地宏(ラムダ数教研)、日比野啓(朝日ネット)、石畑清(明治大)、
長慎也(一橋大)、筧一彦、松崎公紀、田中哲朗(東京大)、
筧捷彦、三浦琢磨、新井浩史郎(早稲田大)、匿名希望、
渡邊隆造、今井祥子、奥村祐気、寺田実、丸山一貴(電気通信大)


質疑応答:

Q.Javaなどでも日本語でメソッドや変数を定義できるのではないか?
A.可能.しかし, 英語の予約後と日本語のメソッド名, 変数名では読みづらい.

Q.年表でなぜドリトルが( )付けなのか?
A.ドリトルは日本語で命令を記述することができる言語であるが
  サイトでは教育用プログラミング言語と掲載されているため.

Q.年表の参考文献の場所がわからない
A.年表はインターネットにある資料を参考にした.
  (2005年 日本技術史教育学会 研究発表講演の資料)

Q.年表にはない日本語プログラミング言語があるのではないか
A.学会論文からの調査が足りませんでした.
  その点で年表にある世代の区別には大きな意味はありません.

Q.ロゴライターとは具体的には何か?
A.教育用プログラミング言語でLogoの一種.

TTSneo
Q.「背景は 黄色」のスペースに意味があるのか?
A.意味がある.スペースの代わりに「、」でも可.

Q.「デスクトップ」とは, いわゆるパスを表すものか?
A.その通り.「C:\Documents and Settings\XXXX\デスクトップ\」を意味する.

Q.「デスクトップの大きさ」を変えることはできるのか?
A.できない.デスクトップはあくまでもパスを表す定数.

Q.「 」で配列を表現することができるのか?
A.変数はすべて文字列でメモリに格納されており, 
  必要に応じて文字列を","で区切り配列として扱うことができる.

Q.「ウィンドウ1を使う」は何に使うのか?
A.ウィンドウというクラスを生成して, 
  1番目のウィンドウとして扱うことを指定するために使う.

Q.「作る」と「使う」の違いは?
A.「作る」は, クラスを生成後, 画面に表示する.
  「使う」はメモリに確保するだけである.
  すでにメモリ上に確保されている場合, ボタン等の部品を貼り付ける対象の
  ウィンドウの指定に使う.

Q.ウィンドウが2つあると, どうなるのか?
A.「使う」命令でウィンドウを切り替える.

Q.「ボタン1の位置」とはウィンドウの中の相対位置か?
A.その通り.

Q.ウィンドウやボタンに固有の名前を付けることができるのか?
A.「ウィンドウを○○として作れ」と記述することで可能.

Q.ボタンを押したときのイベントハンドリングはどうするのか?
A.手順は ウィンドウ1のボタン1をクリック
  という手順を作ることでハンドリングできる.

Q.ユーザ数は?(2chにスレはあるのか? Vectorのタウンロード数は?)
A.正確な数を把握することはできない.
  公式サイトへ一日平均200〜300Hitある.2chにスレはある.
  Vectorのタウンロードは, 1〜2ヶ月で多くて1000ダウンロード.

Q.リフレクションはVisual Basicに無いのか?
A.存在するが, 貧弱なものであり無いに等しい.

Q.ユーザが作成したライブラリを公開することはできるのか?
A.実行可能形式(EXE)を生成することができるだけ.
  プログラム掲示板などでソースコードをやりとりすることはできる.
  (今後ライブラリ生成をできるようにしたい)

プロデル
Q.代入はプログラミングに詳しい人でないとわからないのではないか.
A.「〜は、○○」で代入することもできる.

Q.「もし終わり」は変.「。」や「〜して〜して〜する」という書き方が自然.
A.「。」やインデントでブロックを区別することは
  初心者が使う場合には, わかりづらい面があるように思う.
  そう考えると, 「もし終わり」と書いてしまった方が明確であると思う.

Q.「もし〜なら」の後ろで改行する必要はあるか.
A.「なら」に続けて, 同じ行に命令を記述することもできる.

Q.形態素解析はしないのか?
A.あくまでもプログラミング言語であり, 形態素解析はしたくない.

Q.エラーメッセージはどんな形か?オブジェクト変数がnullの場合は?
A.指定した文が, 命令や手順でない場合は, 「命令がありません」と表示される.
  指定した変数に値がない場合は, 文字列として扱われる.

Q.再帰やリンクリストは可能か?
A.可能.(後日スライド資料のアドレスにてプログラムを掲載)

Q.「ここだけの変数」とは?
A.ローカル変数であることを定義するための命令.
  宣言と同時に値を設定することはできない.

Q.メソッド名に助詞も付けて定義すればよいのではないか?
  Apple Scriptのadd to/remove fromのように.
A.検討したいと思います.