第 310 回 PTT のお知らせ


日時:2005年 5月12日(木) 18:30 から


場所:慶應義塾大学理工学部(矢上キャンパス)

     【14棟203教室(セミナールーム3)】
        ※すみません.変更になりました!!(5月9日)
   キャンパス内地図
     http://www.keio.ac.jp/access/yagami.html
   で,入り口からスロープを上がって警備室の手前の階段を
   上ると(3)と付番された創想館という(一部ガラス張りの)
   建物のピロティです.14棟というのは,この創想館の別名です.
   ピロティ内左手にある外階段で2階にお上がりください.
   入り口を入るとベンチを挟んで14-201〜14-204という教室が
   あります.そのうちの14棟203教室が会場です.
   セミナールーム3というのもこの部屋の別名です.
   (警備室に寄る必要はありません.直接,当該教室まで
   お越しください)

 ●矢上キャンパスまでの案内
  ・東急東横線日吉駅より徒歩15分程度.
   綱島街道を渋谷方向に進み,2つめの信号(仲の谷交差点)
   で右折.細い道に入って直進してください.しばらく行くと,
   矢上キャンパス入り口の緩い坂道があります.
   地図は下記にあります.
    http://www.st.keio.ac.jp/access/
  ・もしくは,JR横須賀線,新川崎駅よりタクシーで5分程度.
 ●矢上キャンパス内の案内
  ・キャンパス内地図は,上記の坂道を登った先の階段手前にあります.
   入構に際して警備室(階段の先)にお寄りになる必要はありません.
   適当な場所に案内板を置いて会場の教室まで誘導いたしますが,
   わからないときには警備室でお聞きください.

話者:
須栗 裕樹(コムテック)


話題:
エージェントプラットフォームSAGEの開発

概要:

FIPA仕様に基づく第二世代エージェントプラットフォームSAGE
(Scalable Agent Grooming Environment) を開発した。エージェント技術は、
オブジェクト指向の次のソフトウェアモデルを提供する。プラットフォームと
は、エージェントを動作させるための基盤ソフトウェアである。標準仕様が
FIPAという団体によって規定されている。
第一世代のプラットフォームであるJADE, FIPA-OS, ZEUS, Comtec AP等に対し
て、SAGEはスケーラビリティとフォールトトレランスを向上させた。第一世代
のプラットフォームが学術用途、実験用途であったとすれば、SAGEは商用、実
用化を目標としている。

- 構造化プログラミング、オブジェクト指向プログラミングからエージェントへ
- FIPAによるエージェントの標準仕様
- SAGEの実装
- SAGEにおけるエージェントプログラミング
- SAGEを用いたセマンティックグリッドアプリケーション


第 31 回 PTTメモ

出席者:16名
和田英一(IIJ),伊知地宏(ラムダ数教研),石畑 清(明治大), 山口高平,飯島正,石川浩一郎,小川 圭介,篠沢佳久,森田武史, 山口征人,山田知秀(慶応大),並木美太郎(農工大), 田中哲朗,横山大作,筧 一彦(東京大)


質疑応答(Q & A)およびコメント(C):

Q: concurrencyは取り扱われないのか.
   A: 複数のエージェントが並行して動作するが、それ以上立ち入った
      モデリングはしていない。

Q: なぜreceiver側はsetを利用しているのか.
   A: 受取側は複数になりうるから。

Q: 例として扱われた「旅行エージェント」, 旅行代理店もそう呼ばれる.
   似た部分はあるか.
   A: ユーザーの「代理」として振る舞うという点で、エージェントの
      特質の一つをよく表している。すなわち、ユーザーの嗜好を勘案し、
      与えられたタスクを分割して処理し、結果を統合して返す。

Q: やりとりされるメッセージの文字コードは.
   A: 仕様上はISO 2022を用いることになっているが、ほとんどの実装は
      Javaなので、そのままUTF-8を用いているのが現状である。

Q: ontologyはひとつだけか.
   A: 構文仕様としては複数持つことができる。ただし、それをどう処理
      するかは実装依存である。

Q: セキュリティはplatformのレベルでやるのが良いか.  specificationの
   レベルでなされるべきでは.
   A: FIPAでセキュリティの仕様を作成する試みは挫折した。アプリケーション、
      プラットフォーム、さらにその下の通信の各層でセキュリティを
      確保する必要がある。プラットフォームとしては、そのためのAPIを
      アプリケーションに提供する。

Q: 同時に複数のものが動く例として「ロボカップ中継エージェント」と
   いうのがあるが, なにかそういった面白い例はないか.
   A: 見て面白いようなデモを作る余裕が無かった。反省するところ大である。
      (付記: AAMAS 2005でデモを行う。http://www.aamas2005.nl/demos.php 参照。)

Q: セマンティックウェブのコミュニティもキラーアプリケーションを
   探している.  このエージェントの世界とセマンティックウェブの世界と
   での視点の差はどこにあるか.
   A: セマンティックウェブの枠組 (OWL, WSMO, SWRL等) において、それら
      によって記述された情報の担い手がエージェントであると考える。
      FIPAの活動自体は近年低調であるが、そこで活躍していた人達の多くは
      セマンティックウェブ、ウェブサービシズ、グリッドなどの分野に
      アプリケーションを求めている。

Q: 異なるplatformsが統一して扱えることの「嬉しさ」は何であるか.
   A: 異なるプラットフォーム、異なるプログラミング言語で作成された
      エージェントシステムが、共通のACLや管理オントロジーで会話できる
      ことにより、異種システム間の連携が容易になる。

Q: プログラミングモデルとしての良さは?
   A: それをアピールできるキラーアプリケーションがなかなか見付からない。
      オブジェクト指向におけるGUIプログラミングのような、いい例を探している。