第 250 回 PTT のお知らせ
日時: 1999年 6月17日(木) 18:30 から
場所: 東京農工大学 工学部 情報コミュニケーション工学科 7号棟 1階 1E 室
話者: 品野 勇治 (農工大・情報コミュニケーション工学科)
題目: 汎用並列分枝限定法ツールPUBBによる組合せ最適化問題の厳密解法
概要:
分枝限定法は,組合せ最適化問題に対する代表的な厳密解法である.この解
法は列挙法であり,与えられた問題をいくつかの子問題に分割して解いていく.
列挙過程では,各子問題において解くべき問題の構造を利用した評価計算を行
い,不要な列挙を避けることで計算時間を短縮している.分枝限定法における各
子問題での評価計算は,ほぼ独立して行えるため,並列処理に適している.また,
分枝限定法は汎用的な計算原理であり,特定の問題に依存しない. そこで,汎
用の並列分枝限定法ツールPUBB(Parallelization Utility for
Branch-and-Bound algorithms)を開発した. PUBB は PVM を利用して,並列分
枝限定法を実現する.
分枝限定法は汎用ではあるが,特定の問題に対する解法の並列化を考える立
場からは,以下を考慮する必要がある.
- 評価計算に多くの時間を費やすことで,最終的に生成される子問題数を
少なくする解法
- 短時間の評価計算により,最終的に生成される子問題数を多くした方が,
全体としての計算時間が短くなる解法
本発表では,PUBBを紹介するとともに,(1)(2)の解法に対してPUBBを適用し
た結果について報告する.
第 250 回 PTTメモ
日時:
場所:
題目:
話者:
出席者:
山内斉,
鈴木貢,
中山泰一,
新藤雅也,
佐藤信弘,
佐藤喬,
兵藤和樹(電通大),
田村智洋,
金子敬一,
毛利公一,
斎藤隆文,
草部博輝,
水野徹平,
澤田圭,
鈴木透,
瀬川大勝(農工大),
宮代隆平(東大),
下國治(川崎市)
質疑応答:
会場ではPC4台により,並列分枝限定法によって生成される探索木をリアル
タイムに表示するデモが行われた.
- ・異常加速とはどの位まで達成されるのか.
倍の台数で数十倍ということはなく,線形よりも大きいという程度.
ただし,通常の並列処理では \sqrt{n} 程度なので良い結果とも言える.
(極端に加速異常を起こすケースを意図的に作成することは可能であ
る.ここでは,ケースを選ばずに数値実験を行った結果について述べ
た)
- 負荷分散時の各ノードの距離のようなものはどう定義されているのか?
ブロードキャストに対する応答時間である.
- 並列処理で 100 倍などと言っても,問題は指数的に計算量が増加する
ので意味があるのか疑問に思うこともある.
- 1 台と 2 台の違いというものはキャッシュなどの効果によるものか?
台数が異なると実際に計算される探索木が全く異るものとなるための
効果などの方が効いている
- DIMACSベンチマークの他のデータについては解いていないのか?
授業用に利用しているワークステーション120台を2週間という期
間で借りて数値実験しているので,時間切れで行っていない.
- DIMACSベンチマークの問題数はいくつで,そのうち最適解が得られて
いなかった問題は何問か?
正確には記憶していないが100問程度(正確には,66問でした),最適
解が得られていなかった問題数も正確には記憶していません(ftpによ
りデータと結果が取れるが情報が古い.実験時には,最新情報を収集
してまだ最適解が得られていないデータを選定した.20問程度が未
解決だったと思います.その内5問を解きました)