第 245 回 PTT のお知らせ


日時: 1999年1月21日(木) 18:30 から
場所: 慶応義塾大学理工学部(矢上キャンパス)25棟601教室

東急東横線 日吉駅下車,徒歩15分くらい. 日吉駅改札を綱島街道方向(渋谷方
向に向って右)に出て, 渋谷方向に綱島街道に沿って歩きます. 駅前の信号を
含めて3つ目の信号(「仲の谷」交差点)で右折し細目の道を直進. 200mくらい
行くと,矢上キャンパスの入り口があります. 現在,工事中のため仮設階段をお
上がり下さい(足元に御注意). 12棟という教室棟につながっているので,お
入り下さい. 入ってすぐの廊下に案内板を用意します.

地図は, http://www.st.keio.ac.jp/campus_info/way-to-yagami-jp.html http://www.comp.ae.keio.ac.jp/lab/iijima/iijima/map/map.htmlにありま す.


話者: 若林 正樹、井上 敬介 (慶應義塾大学大学院 理工学研究科)
題目: CVSによるソフトウェアのバージョン管理
概要:
ソフトウェアを開発する場合に悩みがちなのがソースファイルの管理である。
例えば過去ファイルの参照、更新履歴の管理、複数人で作業する際の排他アク
セスなどは、手動で行うと非常に労力を要する作業である。本発表ではこれら
の作業のほとんどを自動化するバージョン管理ツールであるCVS(Current
Version System)について報告する。

食事:
駅ビルの東急デパートでいろいろな弁当を売っています.
他にも駅前にパン屋やハンバーガー屋があります.

第 245 回 PTTメモ


題目: CVSによるソフトウェアのバージョン管理
話者: 若林 正樹、井上 敬介 (慶應義塾大学大学院 理工学研究科)
出席者: 和田英一(富士通研), 伊知地宏, 佐口泰之(富士ゼロックス), 齊藤正伸, 中村嘉志, 鈴鹿倫之, 多田好克, 山内斉, 前田敦司(電通大), 篠沢佳久, 広瀬雄二, 河村嘉之, 飯島正(慶大), 林隆宏(IIJ) 並木美太郎(農工大), 弘岡茂樹(キヤノン), 岩崎英哉, 田中哲朗(東大)
質疑応答:
ソフトウェアを開発する場合に悩みがちなのがソースファイルの管理である。 例えば過去ファイルの参照、更新履歴の管理、複数人で作業する際の排他アク セスなどは、手動で行うと非常に労力を要する作業である。本発表ではこれら の作業のほとんどを自動化するバージョン管理ツールであるCVS(Concurrent Version System)について報告した。

発表の前半(若林)はCVSの導入方法や使い方である。保管庫の作成や作業者個 人の環境設定から、日常作業の方法、競合の解決、スナップショット、プロジェ クトの分岐と再統合などを紹介した。

発表の後半(井上)はCVSを使った感触等についてである。研究室での研究にCVS を導入した理由、使った感触、リモートホストでの使用、不満のある点などに ついて、デモも交えて報告した。


質疑応答:
Q. バイナリはどうするのか?
A. 入れられなくもないが、差分は取れません。たくさん保管庫に置くとディ スクスペースを食ってしまいます。 また、importする時にバイナリがあるとはまるらしいです。あとからaddし た方が良いようです。
Q. CVSを使っていて困ったことはないか? A. 1. ディレクトリを削除できないらしいです。 2. タイムスタンプをcommitした時刻でつけてしまうため、ファイルの依存 関係が破壊されます。automakeやautoconfを使う場合は自動生成される ファイルも保管庫に保存したくなるのですが、そういう時に困ります。
Q. 処理速度が遅いと言うことはないか? A. 内部実装はRCSなので、基本的にはRCSと同じ程度の速度です。ネットワー クが遅くなければ問題はないと思います。
Q. 使い方を新しく学生に教えるのはどのぐらい時間がかかるか? A. updateするだけなら使い方を覚えるのは簡単ですが、commitもするとなる と競合について時間をかけて教える必要があります。
Q. ハードウェア開発もVerilogHDL, VHDL等のハードウェア記述言語ならば CVS管理できるのではないか? A. 出来ると思いますが、HDLは一行が短く似た記述が多いので、差 分抽出やmargeで少し問題が出やすそうな気がします。 # と返答したのですが、実はASCAグループでは開発中のプロセッサ # をCVS管理していました。
発表で使用したOHPを http://www.am.ics.keio.ac.jp/~masaki/cvs/index.html から辿れる所に置いておきました。