第 202 回 PTT のお知らせ


日時: 1994年11月24日 (木) 18:30 から
場所: 電気通信大学情報工学科 AVホール (西9号館3階) 新宿駅より京王線,調布駅(特急で2つ目,15分) 北口 下車,北西方向徒歩15分,電気通信大学西地区キャン パスの南西端にある白い建物; 甲州街道(国道20号線) 下石原派出所前交差点の北20メートルに西門あり.
話者: 中山 泰一 (電気通信大学 情報工学科)
題目: 多数のUNIXワークステーションを利用してゲーム木 (詰将棋)を並列探索するための分散的実行管理機構
概要: ゲーム木の並列探索を効率的に行うための分散的実行管理機構を,UNIXに標準 的に用意されているシステム機能のみを用いて設計し,数十台のUNIXワークス テーション群上に実現した. この実行管理機構を利用して,ゲーム木の例として詰将棋を並列に解くことを 試みた.単一の計算機上で高性能な逐次プログラムを用いても長時間必要とし た詰将棋問題を対象として並列に解いたところ,ほとんどのものについて大幅 に計算時間が節減でき,実用的な時間で解ける結果を得た.問題によってはマ シン台数に比例するよりはるかに大きい並列処理効果が確認された.




農工大の並木です。前回PTTの概要です。
次回は、12月22日(木)、ゼロックスKSPにて行う予定です。
なお、終了後忘年会を行う予定です。おさそいあわせの上、ご参加下さい。


第 202 回 PTTメモ


日時: 1994年11月24日(木)
場所: 電気通信大学情報工学科 AVホール
題目: 多数のUNIXワークステーションを利用してゲーム木(詰将棋)を 並列探索するための分散的実行管理機構
話者: 中山 泰一(電気通信大学情報工学科)
出席者: 和田 英一, 岩崎 英哉 (東大), 田中 淳裕 (NEC), 小川 宏高 (東大), 赤澤 忠文 (電通大), 神南 吉宏 (東大), 遠藤 英幸 (電通大), 立山 義祐 (東大), 角田 博保 (電通大), 田中 哲朗 (東大), 鈴木 貢 (電通大), 寺田 実 (東大), 多田 好克 (電通大), 永松 礼夫 (東大), 中村 嘉志 (電通大), 並木 美太郎(農工大), 前田 雄次 (電通大), 早川 栄一 (農工大), 山口 啓介 (電通大), 山村 宣夫 (日立),, 若林 伸和 (電通大), 伊知地 宏 (富士ゼロックス), 佐々木 崇郎(慶應大)
質疑応答:
  ネットワークにより結合された多数のUNIXワークステーション群を対象と
して、システム全体を仮想的な並列計算機とみなして並列処理を行う研究が
現在盛んに行われている。
  本研究では、上記の分散計算機環境を利用して、単一の計算機では時間の
かかるようなゲーム木を並列に探索し、計算時間を大幅に短縮させることを
図る。ゲーム木の並列探索を効率的に行うための分散的実行管理機構をUNIX
に標準的に用意されているシステム機能のみを用いて設計し、ネットワーク
により結合された数十台のUNIXワークステーション群において実現した。実
現した実行管理機構はUNIXワークステーションであれば複数の機種が入り混
じっている環境でも利用可能なものである。
  ゲーム木の例として、詰将棋を解くプログラムについて計算実験を行った
ところ、逐次プログラムでは長時間必要とした詰将棋問題のほとんどのもの
について大幅に計算時間が節減でき実用的な時間で解ける結果を得た。問題
によっては、マシン台数に比例するよりはるかに大きい並列処理効果が確認
された。また、従来のどのプログラムによっても解けなかった問題を初めて
解き、解答率が向上することも確認した。

  参加してくださった方々には、遅くまで議論していただき、数多くの貴重
なご意見をいただきました。今後も、システムの改良、より詳細な評価など
を行ってみたいと思ってます。よろしくお願いいたします。

                               電気通信大学情報工学科 中山泰一
                               TEL 0424-83-2161 内線 4374
                               E-mail: yasu@cs.uec.ac.jp